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管理訓練

共同体・家族・組織を強化する効果的な方法

著者: フィル・バートル教授

和訳:益子かさり


Gert Lüdekingさんに捧げる

モジュールの中心資料

組織(再)編成のためのトレーニング〜単なるスキルの移動ではなく

序論:

共同体活発化の要素としての管理訓練のねらいは、貧困を除去すること、そして低収入の共同体がその居住地・施設・サービスを計画・管理・建設・運営・維持する能力を強化することです。

単にスキルを移動して情報を与えるのではなく、活動が促されるための訓練なのです。

この訓練の目的は「低収入の共同体の強化」「貧困の除去」「市民の参加の推進」「民主化・地方分権化のための実践的サポート」つまり「活発化」であり、単なる教習生への情報・能力の移動であるような訓練からは程遠いのです。

つまり正統派の訓練とは違っているのです。このような訓練を正式化・制度化することは、訓練の効力を弱めてしまい、励まし・活発化・組織化の部分よりも能力の移動が強調されてしまう危険性があります。

そのような訓練は、収入を目的とした企業の執行部に権力を与えるために発展されたに過ぎないのです。

ここではそれが改訂され、貿易組合の組織化のテクニックと組み合わせられます。市民が団結して発展的な社会変化に取り組み、低収入の共同体の容量が発展されるためです。

4つの重要な質問:

場面によって意思決定とは多様ですが、全てに共通するのは4つの質問が隠れている点です。管理計画の作業においてそれらの質問に答えることが基本的な作業です。

それらの4つの質問とは「1. 私たちは何が欲しいのか、2. 何を持っているのか、3. 持っている物をどうやって使い、欲しい物を手に入れればいいか、4. その結果何が起こるか」です。注意深く見てみると、これらは企画計画書類やブレインストームで使われる質問と同じだということが分かります。

私たちが欲しい物を問う質問は、つまり「解決すべき主な問題とは何か?」ということです。その質問はおおまかな目標を定義するのに役立ちます。その答えを詳しくすることで細かい目標を設定することができます。共同体管理訓練において「何が欲しいのか」の質問は共同体の市民全員が団結して答えてもらう必要があります。つまり「男性だけ」「学歴の高い人だけ」「関係者だけ」が出した答えではなく、共同体の世論に基づく必要があるのです。

「何を持っているのか」の質問は、目標の達成に利用できる資源を明らかにするのに使われます。共同体管理訓練では、この確認の作業はミーティングを開いて、口数の少ない人々にも参加を促して行うのが望ましいです。なぜならどの共同体(とても貧しい共同体にさえ)にも多くの資源が隠されているからです。訓練士はミーティングを助成することで、隠された資源を発掘するのを手伝うのです。労働・専門的な知識(活動に役立てられる人的エネルギー)、(活動に使われる)土地・スペース、(稼がれた/寄付された)金銭などが資源に含まれます。他にも、繰り返し利用できる道具、年寄り・退職した人・身体が不自由な人・社会から追放された人の精神活動(知恵・情報・能力・経験・分析力・創作力)が挙げられます。多くは当たり前であるために見過ごされがちなのです。

「持ち物をいかに使うか」の質問は、管理における「作戦」の部分です。大抵、資源を組み合わせる方法は複数あるので、共同体の精神的資源(上記)の集大成を利用し、それら複数の作戦を明らかにし、最も適切なものを判断するのです。

「それを手に入れれば、何が起こるか」の質問は、活動の影響の予想です。それを拡張して、「共同体とその周囲にどんな影響があってほしいか」という質問にしてもいいです。それは監視と評価を計画する指針となるでしょう。

これらの4つの質問は、フィールドワーカー(現地で活動する人)が集団を組織(再)編成するための枠組みとして利用されるべきです。4つの質問は同様に管理トレーナーがチームを組織(再)編成するのに利用されています。コーディネーターはそれをフィールドワーカーのチームを組織するのに利用できます。それらは総じて管理の容量・集団の能力を発達させる枠組みとなります。

共同体管理訓練では、共同体全体が優先目標を決めるためにミーティングに出席している際に、これらの重要な4つの質問を提示するべきです。またCBOの執行委員会が市民を代表して詳しい活動の決めごとをするために集まる際にも、再度4つの質問を提示すべきです。注意深く見ると、2つの付録(「ブレインストーム作業」と「企画デザインのガイドライン」)にも4つの質問が隠されているのが見られます。

貿易組合の組織編成においても、大企業の執行部の会議においても、貧困にある共同体の強化と容量増加においても、これら4つの質問は管理においての重要な事項を組成します。

管理訓練のその他の法則

共同体管理訓練の中心で4つの重要な質問が考慮された後は、いくつかの他の管理法則も学びます。それらが共同体管理訓練のどの段階に含まれるべきかは、その段階で何が必要とされるかに因ります。つまりそれぞれのセッションで適切な訓練の種類とその量です。以下はそのような管理法則の順不同の大まかなリストです。

  1. 私たち(共同体をなす集団)には構想が必要です。共同体が総じて、自分たちが何をしたいのか、決めなければなりません。さまざまな目標が提案されることが可能ですが、共同体は団結して、自分たちがしたいことを選択しなければなりません。トレーナーは不思議の国のアリスから引用して、これを解説することができます。「目的地を知らなければ、どの道を進んでも良いことになってしまう」(ルイス・キャロル)。共同体がどこへ行きたいのかの構想がなければ、現在の状況(無関心、貧困、不快)が残ったままになってしまいます。

  2. 目的地と方向が選択されたら、そこにどう辿り着くか(近づくか)という計画を決定する必要があります。これは訓練中に次のキャッチフレーズを使って説明されます:「計画することに失敗すれば、それは失敗を計画していることになる」。目標の達成によって成功や勝利が定義されるなら、目標を達成するための計画が必要になります。(もちろん、目標やその解釈は、それを達成する途中、または達成した後に、変更されることもあります。)

  3. 計画とは集団を「現在の場所・状態」から「目標が達成されたときに集団が置かれるであろう場所・状態」へ導くために考案された一連の作業であるということを、トレーナーは集団に思い出させます。そのような徹底された作業は、論理的で安定しているべきであり、また現在の実際から将来の望まれる結果への誘導を果たすべきです。トレーナーは「私たちは時間を逆にして計画する(終了地点から始め、開始地点で終わる)」ということを示します。私たちがどこへ行きたいかを判断することから始め、そこへ辿り着くためにどのような段階が必要か問います。現在の状態から、それぞれの段階が次の段階に論理的に関連づけられ、希望の目的地まで続けられます。

  4. 作戦を判別し選択する作業中は、集団は欲しいものを獲得するために彼らに与えられた資源を、最も効率・効果の良い方法で利用をすることが推奨されます。効率には様々な解釈がなされますが、それは拒絶されるべきではありません。「効率」の定義とは「より少ない入力から、より多くの出力を得ること」です。これを説明できるキャッチフレーズとは「努力をしなくていいから、結果を出しなさい」です。
    ここでは通常賞賛される「努力」よりも、その仕事の結果(終わりまたは出力)の方が重要であるとされています。これは怠けるように促しているのではなく、資源(労働も含めた)を賢く使うこと、つまり効率的に使うことを推奨しているのです。

  5. 参加方式の包括的な意思決定の作業は、独裁的な意思決定によっては失われてしまう、隠された資源を探し出すのに役立ちます。トレーナーは「意思決定に全員を参加させる」よう指導します。一人の人間は、例えボスやチーフであろうと、集団の全員の知識の総合に比べたら、少ない情報・経験・知恵しか持っていないのです。
    民主主義においては、共同体の市民全員に参加する権利があります。共同体を最大限に強くすることにおいては、持ち合わせる資源の全てを把握し、これまで見過ごされてきた斬新な作戦を発見し、全員を参加させることが、管理に最適な方法です。

  6. トレーナーは、自給自足できるようになることが目標だということを、共同体に思い出させます。外部の援助・資源・指導に頼ったり依存することは、外部の人はいずれ離れていくので、維持可能ではないし、弱く傷つきやすいです。自立を促しましょう。それは権利であり、また義務や責任でもあります。
    次のキャッチフレーズも当てはまります:「もしあなたが他人を責めれば、あなたが自ら変化する力が失われてしまいます」(レイ・アンソニー)。「私たちは貧しすぎます、外部の援助が必要なんです」といった甘えには、訓練士は応えてはなりません。どんなに貧しくても、ある共同体には必ず行きた人間が存在し、資源(多くの場合、隠された)を蓄えられる器を持っているのです。本当の貧困とは、それらの資源を持たないことではなく、それらの資源を見いださないことです。

  7. 無料で食事をもらえることは無いです。全てのボランティア労働や公共の寄付には、謝礼(必ずしも通貨でない)が渡されます。その謝礼とは、公での表彰・元気づける言葉・褒め言葉などです。
    企業の管理トレーナーの間で指摘されているのは、給料をもらって働く労働者でさえも完璧に参加する人は少なく、高時給だからと言って必ずしも良い仕事をするわけではない、ということです。表彰や元気づける言葉が長期的に功を奏し、ボランティア・受給労働者の両方の仕事を改善するのです。貢献を認めたり、正直に褒めたり、肯定的な意見を伝えましょう。否定的な意見や批判を言ってはいけません。

  8. 私たちは立ち止まっていることができません。もし前進していなければ、後退していることになります。人間社会は規模が大きく、常に変化しています。問題を一度に永久に解決することはできません。今日の問題の解決方法として使われていることも、使われ続ければ、明日の問題を解決できないかもしれないのです。
    もちろん他にも管理訓練に関する多くの教訓や法則があります。このウェブページではその全てを列挙して説明することができません。是非あなたが自ら発見してください。あなたがそれをする中で、個人的なの日誌に記録していってください。そして他の訓練士、管理訓練トレーナー、責任者(コーディネーター)と共有してください。

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© コピーライト 1967年, 1987年, 2007年 Phil Bartle
ウェブデザイナー Lourdes Sada
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最終更新日:2011年10月27日

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